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桜塚高校「あざみ」観劇レポート(7月22日)
桜塚高等学校さんの「あざみ」を観劇させていただきました。
題名からでは全然想像もつかなかったですが、劇が始まるとその世界観に引きずり込まれました。
最初の教室で高校生が話しているシーンはすごく自然な演技でスッと話に入り込めました。
2年の途中から学校に来なくなった黒谷フミ。
男が個人で経営をしている図書館に通っている。
そして学校には来ているが友達がいない、一言も誰とも喋ったことのない佐々木ケイ。
この2人が生みだす世界観は少し不思議に感じました。時間経過を表す時計の音も2人の気まずさをより強調していたと思います。
この不思議な空間から関西弁のコミカルなキャラのコンビニの先輩が出てきた瞬間空気が変わりました。すごく純粋で良い人でした。
そして救急車の音での転換が終わった後にフミとケイが親密な関係になっていました。でもその中に気まずさがまだ残っている演技がすごいなと思いました。
ケイは図書館の男を胡散臭いなど否定的なことをずっと言っていて、今までフミは図書館の男になんでも相談していたけど相談できなくて追い詰められて、その上読んだ本に影響されて自殺未遂に及んでしまう。
でもラストはその本と図書館の男がケイとフミの架け橋となっていてすごく良い終わり方でした。
先程も書いたように役者の方の自然な演技が素敵でした。照明も音響もリアリティーを追求されていて世界観とすごくマッチしていました。
脚本も大きい出来事が一つドーンと起こる感じではなく、細かい出来事が何個も起きてそれが一つ一つ繋がってラストに上手くまとめられているのがすごいと感じました。
それと図書館のセットが細かいところまで凝っていてすごかったです。
コロナが猛威をふるう中、すごく素敵な舞台をありがとうございました。
桜塚高等学校の皆さん、お疲れ様でした。
金蘭会高等学校 2年 鶴岡朋花、平朱加